まろやかな甘い水
イルカの会の仲間の新年会で、ノルデナウのお水の試飲会をしたのだが、そのときカリヨン奏者のYUKOさんと、SEIJIさんご夫妻から、やはりタウナスの有名な温泉地で正真正銘の超高級住宅地の其の名も王様の礎、KOENIG STEINの町に、遠くからも水汲みにやってくる場所があると、教えていただいた。1週間前の寒さからは考えられないような、小春日和、そこまでなら20分ほどで行けるに違いない(18KM)と、午後の買い物のついでに水汲みに立ち寄ることにした。遠くからもやってきて列が出来る程人気の在る水汲み場というので、NETで調べたが、KOENIGSTEINの町のHPのどこを探しても、載っておらず、行き方と地図を、イルカの会最年少、とおる君がFAXで送付してくれたのを持参して、出かけることになった。
彼女達曰く、いろんなガスなしのミネラルウォーターを飲み比べてみたけれどやっぱり1番美味しい!と思うお水だそうだ。彼女達が水汲みに行くときは行列なので、見つかりにくいけれど,人がいるから判るとのことで、地図を頼りに、その住所まで行き着いたのだが、人も居ないしそれらしい湧き水も無い。水の出ている管は車が良く通る道に面しているというのだが、、?車に乗ったままでは埒があかないと、森の散歩を楽しむ人のために設置されている駐車場に車を止めて探すことにした。住所はここに間違いないのだから。駐車場に車を止めて、さあどの方向から探しはじめるかな?と思っていると、うまい具合に森の方から、上品そうな鳥打帽をかぶった近所の人らしい男性が歩いてきたので、聞くことにした。すると、彼は私たちが今ちょうどUターンをしてきた場所を指差して、あそこに出ている水だけど、HEILWASSERではないからね。と念を押した。
  そうこうしていると、もう1台車が止まり、ハーナウナンバーの車で、明らかにおじさんは水汲みおじさんだった。彼に付いて行くような感じで、水汲み場へといってみた。おじさんはもう10年もここに水汲みに来ていると話してくれた。旦那が彼はトルコ人だなあと言った。結構勢いよく出ているので、タンクはすぐいっぱいになったが、彼曰く、夏場は30分ほど待つこともあるんだそうだ。私達もペットボトル4本分汲んで、車に戻ったが、我々がいた15〜20分の間に、あと2台の車、子供連れの主婦達がやってきて水を汲んで帰った。ちょうど、この水汲み場から車道をはさんで向かい側の家の玄関前を、ず〜っとこの間、お掃除をしていたおじさんがいたので、彼の考えがどうなのか、地元の人がどう思っているのかに、興味を持った旦那はこの水をいつも飲んでますか?と、彼に質問した。お掃除おじさんは、この町の水道の水方がよっぽど美味しくて、味が在る。この水は地下の深いところを流れてきた水ではない。町で水質調査をしたときにミネラル分が少ないと判明したのだそうだ。だから取りに来るのは遠くの人ばかりで、近くの人は汲まないよ、とのこと。そういえば、1台目のトルコ人のおじさんが、ハーナウ、次がマインツ、最後のがMTK(マインタウナスクライス)だったなあ。向かいのおじさんはこうも言った。どうも、お茶には良いらしい。トルコ人はお茶をよく飲むから、彼らにはここの水は人気があるんじゃよ、と。そこまで聞いて、なーるほど、ここの水はきっと、正真正銘のドイツには珍しい、軟水に違いないと思った。
さて,家に帰ってさっそく日本茶に、このお水を使ってみた。このあたりの水道水で日本茶をいれても、ほんの数分置いておくと、鉄分のせいだと思うが、お茶は悲しいかな、茶色になってしまう。緑茶ではなくなってしまう。結果は、じゃ〜ん、緑のまんま、でした!そして、お味の方もまろやかで、舌触りがなんというかちょっと、ぬめっとしていて、甘くて美味しい!のです。勿論、炭酸などは入っていません。この味は、YUKOさんたちが美味しいと太鼓判を押すはずです。日本のお水とよく似ているんです。何百Mも幾層もの地層に沁みこんでいったものではきっとないのに違いありません。ですから、ここのあたりの、ミネラル嗜好の強い、ミネラル信仰のある、ドイツ人にはよくない水、美味しくない水という訳です。でもこの水は日本人にぴったりです。私は又汲みに来ようと思いました。酸っぱい水よりよっぽどましというものです。